人見知りの私がバーベキューに参加し、撃沈した話。
どうも、おいなりです。
前回↓のお話の続きです。
バーベキュー会場に到着した私は、猫を1かぶりも2かぶりもして、華麗なる登場を果たしたわけだが、そこからが大変だった。
頑張る火起こし名人
まず、前日の作戦会議の通り、私たちは率先して準備を手伝った。
後から続々と従業員とその家族がやってきたので、その度に、声を2オクターブほど上げて挨拶した。
子供が何人かいたが、ナマイキな小学生ばかりで残念だった。私が相手できるのは1〜4歳までだ。
旦那ちゃんと2人でバーベキューコンロの火起こしをしていると、手持ち無沙汰になった人がこちらにやって来ては「いい役やっとんなぁ…」と呟いた。
当然だ。こっちは仕事を確保する為に早く来たのだ。
炭をくべる旦那ちゃんの顔つきはかなり真剣だった。仕事をとられないように必死にだったのだろう。私には分かる。
これが功を奏したのか、いつの間にか彼は「火起こし名人」と変な異名をつけられていた。
火起こし名人は、燃え盛る炎を見つめながら
「もうこの火が消えることはない(キリッ)」とロマンチックに言い放った。
少し腹が立った。
バーベキューが始まった。
想定外だった。
序盤から早くも男性陣が大きなコンロを占領して、盛り上がり始めたのである。
そうなると必然的に女性同士で集まることになってしまう。
頼みの綱の旦那ちゃんは近くに居ない。
子供達は勝手に遊んでるので、子守の必要ない。
奥さま方は皆 歳上 子持ち、20代 子なし の私は居た堪れない。
しかも私だけが初めましての初参加だ。
あはは〜私のアウェイ感すご〜い\(^o^)/
酒さえあれば……
多少気まずいメンバーでも、酒の席だったらなんとかなる。実際、今まで幾度となくアルコールに頼りその場を乗り切ってきた。
しかし今回はそういう訳にもいかなかった。
私はドライバーの為ノンアルコール、テンションは平常運転。全てがダイレクトに伝わってくる……
もう最悪の事態だ。
肉焼き係になった。
トークに自信のない奴が手持ち無沙汰になれば、地獄を見るのは明白だ…
なので私は肉焼き係となり、女性チームの小さなコンロでちまちまと肉を焼きはじめた。
言うまでもないが、家族や友達で行うときのような「あ、それ私が育てたやつ〜!」みたいな微笑ましい光景はそこにはない。
表面上穏やかに見えるけれど、その裏側には殺伐とした雰囲気が漂っていた……。
私は トングは絶対離すまい と心に決め、死守した。意外とすぐ焼けてしまう肉に対し「もっとじっくり焼けろよ」と、不条理なイラ立ちを滲ませながら。
奥さまトーク
無事に肉焼き係になった私だが、無口で怖い人、と思われても困るので(旦那ちゃんの立場が)、作り笑顔でママさんトークに耳を傾けていた。
そして、大縄跳びに飛び込むタイミングを見計らう臆病な子供のように、適切なタイミングで相槌を打つことに専念した。
昨日の旦那ちゃんの言葉がリフレインする
「プライベートな事はあんまり話さんとこな……」
だから、余計なことは話さないようにした。
他の奥さまもみんな同じような感じだった。
必要以上にプライベートは明かさない、仲良くなる気などサラサラない、といったスタンス。
ゆえに、各々100m離れたところから話しているかのような、異常な距離感が発生。
勿論、トークは広がらない。
そして時折容赦なく訪れる 静 寂 。
そんな状況を打破するスキルなど持ち併せていない私は、黙々と焦げた肉や萎びた巨大シイタケを裏返すのみだ。
女子中学生との会話
私だって楽しもうと努力した。
女子中学生が、途中参加してきたので、思い切って話しかけてみたのだ。
「何歳?」「12歳」
「中学生?」「うん、1年」
「部活してるん?」「バトミントン」
「おお、楽しそうやな?」「しんどい」
繰り広げられる 一 問 一 答
いっそ清々しい。
今では分かる。健康診断の問診票みたいな質問事項がいけなかったのだと……
私が悪かった。
決して少女に罪はないのである。
「そっか… が、頑張ってな」
「うん」
ー終 了ー
こうして「中学生なら仲良くなれるかも」という一縷の望みは絶たれたのであった……。
↓続き↓