おいなりの随筆、かもしれない

パクチー並に癖のある徒然なるまますぎるブログ。

ポケモンGO!に対する素敵な貼り紙。


先日行ったお風呂屋さんのポケモントレーナーのみんなへ」の張り紙に癒されました。


ポケモンもお風呂に入りに来てるのかもしれません。どうか捕まえないであげてね。」


お風呂に入るポケモンを想像してみて下さい。
和む〜

ピカチュウなら、電気風呂になるし(ちょっと電気が強そうなので遠慮したい)タマタマは温泉卵になっちゃうだろうし、クラブやコイキングシェルダーからはいい出汁が出そう。
身が茹ったらポン酢つけて食べようね!
あら、美味しそうー!


こういう世界観を壊さない配慮がなされた貼り紙は、素敵と思います。

私もそんな大人になりたい(矛盾)

面倒くさい結婚式のドレス選び

ドレスのカタログモデルがスタイル抜群の美しい外国人なので、全く参考にならず怒り心頭。

根本的に顔と体のつくりが違うから当たり前なんだけれども、カタログで完璧なドレスの在り方を見た後に、ちんちくりんな自分のドレス姿を鏡でみると「え、ほんまに同じやつですか?」と目を疑い、落胆し、そして絶望の淵に突き落とされる。

「こんなの似合いそうです〜」と勧められるのはピンクのフリフリ花花。

え、嘘やろ。私ってこんなイメージなん…?

残念ながら趣味じゃありません。

ドレスに憧れとかあれば、選ぶのも楽しいんだろうけど…

自分の衣装はもう何でも良いです。
旦那ちゃんのはもっとどうでも良いです。

モデルがイケメンすぎる(笑)

旦那ちゃんは果たして真っ白タキシード似合うのだろうか…


おっぱい談義

どうも、おいなりです。

先日美容室に行った際、担当してくれた美容師さんと、おっぱいの話になりました。

「やっぱあれですか。男の人は巨乳が好きなんですか?」

「そ、そんなことないですよ!まあデカいに越したことはないですけど……」

「形とか色とかも大事ですもんね!」

「そ、そうですね…でも理想は理想はC〜Dカップぐらいです」

「そうですか。言っときますけど、Dカップ以下の女の人って大抵胸の大きさを1〜2カップ盛って言ってますよ」

「え」

「そのあたりのサイズのブラにはぶあつーいパッドが入ってるのがデフォなんです。ブラの上から揉んだってその感触がわかんないくらいにパッドが詰まってるんです。酷いやつは2枚!分厚いパッドが2枚も入ってるんです!最近のブラは、結構小ぶりな感じのが多いし、サイズ通りのブラつけたら乳首が溢れちゃう感じなんですよ。だからみんな大きめのブラをつけて喜んでるんです」

「え!?そーなの!?知らなかった!!!!」

美容師さんはかなりの衝撃を受けていた。知らなければ良かったとでも言いたげだったが、残念ながらこれは紛れもない事実だ。

「大体の女は見栄を張ってるんですよ。多少盛ったところで、脱がなきゃわかんないし」

「ショックだー!ちなみに、おいなりさんは何カップなの?」

「盛ってEですね」

「やっぱ盛るんですね…」


ちなみに私は巨乳の女が好きだ。


ほなねー

文章書くのって難しい。

猫にいたずらしたら引っ掻かれました。自分の間違った愛情表現に、深く深く反省しています。どうも、おいなりです。

日本語って難しい。日常会話でも「今の言い方間違えたかも」と思うことが多々あります。
文章書くのは更に難しい。伝えたいことを上手に文字に起こすなんて、カンタンには出来ません。


数ヶ月前のことになりますが、大学生の頃やってたブログを読み返してみたんです。
もうそれはそれは……顔から火が出るほど恥ずかしいもので、思わずギャアアアア〜っと叫び、暴れ、笑い、スマホを投げてしまいました。でもやっぱり過去の自分が何を書いてるのか気になるから、投げたスマホをそそくさと拾い、続きを読んじまう。そしてまた叫んでスマホを投げる。また拾う。そう……エンドレス。全て読み終わる前に私のHPは0になりました。チーン

心底どうでも良いようなことを、さも重要なことかのように、押し付けがましく書き綴っていたんです……若者特有のキモチワルイ思考や悩みなどと共に恥ずかし気もなくね。
文章はかなり支離滅裂、意味不明。テンションのハイさが半端なくて、とにかく馬鹿っぽい。さり気ない自慢話がキモさを助長している。(クリスマスイブは色んな人からデートに誘われてたけど、全部断った。今年は一人きりのクリスマス…寂しいナァ…とかマジで何ほざいとんねん!!!今思うと誘われてたかどうかも怪しいぞ)
紙媒体なら即座に燃やしていたであろう私の黒歴史
物凄く恥ずかしくて、のたうち回りました。もう死にたい。とさえ思いました。


更に、この頃2chのVIPに自分語りのスレまで立てたんですよ私。半分フィクションだけど。もう、どーかしてたんでしょうな。

まさか残ってたりしないよね?と思いながら、恐る恐る検索かけたら(スレタイうろ覚えだったけど、覚えてるワードでテキトーに探した)、まとめサイトにガッツリ残っておりました。かなり拙い文章でね。
もーね、本当に死にたいなって思いました。

ネットって怖いね?

まあ、そんなのがきっかけで、「まじで日本語を勉強した方がいいのでは……」と思い始めたわけです。

で、とりあえず日本語力を高めるために読書してみようと思って、文庫本を週に3〜4冊は読むようにしたのですが、残念ながら日本語は全然上達しません。おやおや、おかしいな?
念のため言っておきますが私は日本人です。


実は、こんなくだらない記事を書くのにも、私の手にかかれば、あーら不思議!かなりの時間を要するわけです。ざっと3時間。笑ってやってください。

なんせ日本語に自信がありませんから、文章を書いているうちに「これ絶対変やろ」と思い始めるんです。
だから何度も読み直し、そして書き直す。それでも「これでいいのか?」と自身が生み出した文章に対する疑いが晴れず、キリがなくなってきて、そのうち文字がゲシュタルト崩壊
脳内では、はてなマークが行列を成し、パレード状態ぐーるぐる。はてなの行列は、いきなりラインダンスを踊りだし、次第に"はないちもんめ"が始まり、最終的にはかくれんぼしだす。
そして「もうどーでもええわ!」と半ば投げやりになり、やっとこさ「公開」ボタンにたどり着くという有様。


どうすればちゃんとした文章が書けるんだろうか。

果して私の日本語力は上達するのだろうか。

とにかくブログ書くのも勉強やと思って頑張ります。

ふぅ、やっと書き終えた。


ほなねー

おすすめの本【予定日はジミー・ペイジ】鬱々とした妊婦の話。

おいなりです。

いきなりですがおすすめの本をゆるっと紹介したいと思います。


角田光代 【予定日はジミー・ペイジ


テキトーなあらすじ

一言でまとめると、鬱々とした妊婦が書き綴る、笑って泣ける日記帳って感じ。

この物語は、いきなり

4月×日
性交をした。

から始まる。このとき、流れ星をみて“子供ができたかも”と思う主人公マキ。
流れ星……やけにロマンチック。内容はあんまりロマンチックじゃないけど。


この妊婦は妙に鬱々としてる。
産婦人科で「おめでたですね」と言われて「めでたいですかねぇ」と聞いたり、懐妊を喜ぶ旦那に対し「私、ぜんぜん嬉しく無いんです」と胸を張って言っちゃったり、赤ちゃんに対して「ビールを飲ませないなんてひどい」と思ったり、もし日本全国の妊婦が集結してやる気ピラミッドを作ったら私は最底辺だ、と思ってたりと、かなり後ろ向き。


そんなマキも、家族や友人、元彼、ママ友など、色んな人と関わり、お腹の子と向き合っていく中で、気持ちが徐々に前向きになっていくま……そんな様子が描かれている。

オススメポイント的なとこ

日記形式で物語が進んでいくので、さらっと読める。

周りの登場人物が能天気なのがいい。和む。
主人公マキが異様なほど冷めてるから、その温度差が面白い。
特に始終浮かれポンチな夫が良い。普通にめっちゃいい夫なんだけども、少々無神経。
マキは度々そんな夫にイラついてしまう。妊娠8ヶ月のときには、ついにキレてトイレに立てこもるという珍行動にでる。夫はオロオロするばかり。
なんともアホっぽい夫婦である。
そんな2人が最高にいい。

タイトルにもなっているけど、マキの出産予定日は、ロックギタリスト、ジミー・ペイジの誕生日。しかし、予定日になっても陣痛がこない。この辺のシーンも面白い。(よし、いいぞ、ジミーペイジがだめなら村上春樹だ!!!)

まとめ

笑えるし、泣けるし、なんだか明るい気分になれる。そんな一冊!
女性にオススメです!

私も妊婦になったら、もう一度読みたい。また感じ方が変わるかも。


ほなね〜

おっぱい見せてと言われたときの対処法

どーも!おっぱいいっぱいおいなりです。

突然ですが。おっぱい見せてと言われたことはありますか?

私はあります∧( 'Θ' )∧


数年前の話ですが、斎藤さん(ランダムでいろんな人と会話できるアプリ)で繋がった男性のほとんどが、合言葉のように口にしてたんです。「おっぱい見せて」と。


仕方ありません。
人は生まれながらにしておっぱい星人なのです。


しがないおっぱいを持つ身としては、「私のおっぱいなんかを求めてくださるなんて、何て有難いことだろう」と思わざるをえなかった訳ですが、私も聖女ではありませんから、見ず知らずの男性に、しかも無償で、おっぱいをお見せするなんてこと出来るはずもなく、「ふん、人生そんなに甘くないわよ」と男を鼻で笑いながらも、期待に応えられない自分の不甲斐なさに、大変心苦しい思いをしていた訳です。


だって、やっぱり喜んで欲しいじゃないですか。


そこで!
作っちゃいました。谷間を。





そう、作ったのです。谷間を。


作ると言っても、脇や背中や腹の、贅肉を総動員させて無理やりブラに収める…とかそんな面倒なことはしておりません。


谷間は谷間でも、胸の谷間じゃあ無いんです。



足の谷間なんです。騙された方はどんまい。おほほ


推定Cカップ。丁度良いサイズ感でしょう。
柔らかさより、ハリがあるタイプですね。このおっぱいは……!



写真で見ると微妙ですが、動画だと画質が荒いので結構リアルおっぱいでした。
煩悩丸出しの男子たちは鼻息を荒くして騙されてました。


私は腹がよじれるほど笑いました。 ざまぁみろってね(最低)


最後に種明かしすると、大抵無言で切られました。騙された男性はきっと布団にスマホ投げつけてたでしょう。下半身丸出しで。

それを想像すると愉快で愉快で堪りませんでした。


男性の皆様。
私みたいな奴もいるので、(あんまり言う機会は無いと思いますが)「おっぱいみせて」は、ほどほどにしてくださいね。


ほなねー

こゝろとめまい

晴れれば暑い。雨だと鬱陶しい。
この時期、外に出るのが億劫なので、読書に勤しんでいます。


いつも恋愛小説ばかり読んでいるので、たまには文学っぽいのを……と思い、夏目漱石を読んでみることにしました。


吾輩は猫であるは15ページほど読んで、大体わかったので満足しました。

坊ちゃん親譲りの無鉄砲、まで読みました。つまり最初の一文だけ読みました。


で、今はこゝろを読んでいます。

こちらの本は、有難い事に1ページ目から、解りやすいあらすじが書いてありました。私のような読者の為に。大変親切ですねぇ。しかも表紙がかっこいい。見ているだけで少しホッとする。

これでもう半分満足しました。


そしてあらすじを読んでいるうちにん?この話なんか知ってるぞ?と思い始めました。


私の頭の中の遠い遠いところにある、古い記憶の引き出しから、お嬢さん と、友人Kが、顔を出し手を振っていました。
思い出しました。


ああ、高校生の頃に、国語でやった気がする!


勿論、あれはほんの一部だったはずだけれど。私はもうすっかり読んだ気になり、本をぽいとそこらへ置きました。


しかし、こゝろの表紙が目に入るたび、私のハート、つまりこゝろが一々痛みます。


私は自分に失望したのです。


何故ならば、高校生の頃どれだけ国語の授業をいい加減に受けていたのか、改めて実感させられたからです。


なんとなく授業で読んだ気がするってだけで、どんな授業を受けていたのかまでは全く覚えていません。
当時の私は、文学なんてまったく興味がなかったので、右から左へ受け流していたのでしょう。あの名作こゝろを。
今なら真剣に授業に取り組める気がするのに…悔しい。


私は気持ちを切り替えて、再びこゝろを手に取りました。

流れるような文章と、哲学的な言葉。
お?私のレベルでは到底理解が追いつかないぞ…?

私は再び絶望しました。

すると不思議な事に、途中でめまいに見舞われ、文字が読めなくなってしまいました。

私は病院へ行こうと車に乗り込みましたが、1分で引き返しました。目が回ってるのに運転なんて出来るはずもありませんでした。
歩行者がほとんど瞬間移動。信号が揺れ視界から外れる。白線が歪み迫ってくる……などなど。最早自殺行為です。


結局近所に住む母に病院へ連れて行って貰いました。点滴を打つ羽目になりました。
めまい止めの注射まで打ったのに、まだ治りません。
この文字を打ってる間も目がぐるぐるしています。


これは夏目漱石の呪いでしょうか。

親譲りの無鉄砲だからでしょうか。


まあ、全然関係ないんですけどね。



ほなね。


ある日突然仕事を辞めた父の行く末。

私の父の名はカズオ。カズヲでもいい。至って普通の名前だ。
まあ、父というのもなんか癪なので、親しみを込めて以下カズヲとする。


私が幼い頃。
カズヲは何を思ったのか、ある日突然、長年勤めていた会社を辞め、商売を始めた。母に相談もなくだ。


その時カズヲは40歳そこそこ。
なぜそんな思い切った行動に出たのか、分からない。
ただただサラリーマン人生に嫌気がさしただけなのかもしれないし、サクセスストーリーを夢見てたのかもしれないし、急に冒険してみたくなったのしれない。今やカズヲの胸の内なんて知る由もない。
(「仕事辞めてブロガーになった」みたいな中年のおっさんを見つけると、カズヲみたいだな(笑)なんて応援したくなる。)


そこから先は、いばらの道だった。
見切り発車で始めた商売なんて上手くいくはずもなかった。そもそもカズヲに商才なんてなかったのだ。
見事に借金のみが増えていった。


代わりに母はよく働いた。
家は荒れ放題で、ゴミ屋敷一歩手前だった。
当時の母は、家の中でゴキブリが走り回ろうと、ネズミが現れようと、「まぁ、こんにちは」ぐらいにしか思わなかったそうだ。それぐらい心身共に疲れ切っていたらしい。


カズヲはアル中だった。
酒が切れると手が震え、酒を飲むとすぐに酔い潰れた。いつも、劣化したゴムみたいに、だらしなく伸びていた。

カズヲに断酒してほしかった私は、一時 酒隠しに勤しんでいた。

カズヲご愛飲の焼酎の一升瓶をせっせと運び、押入れの中や、箪笥の中、火の中、水の中、草の中、森の中、あのコのスカートの中など、ゴミ屋敷のありとあらゆる場所に隠したのだ。

しかし、いつも失敗に終わった。
カズヲの体にはアルコール探知機でもついていたのだろうか、毎回すぐに一升瓶を見つけ出し、しれっと水割りを作りはじめるのだった。とても悔しかった。


私は酔っ払ったカズヲが大嫌いだった。出来れば近寄りたくなかった。
暴力や暴言こそ無かったが、いつも話は支離滅裂。呂律は回ってないし、目は座ってるし、違う意味で怖かった。しかも翌朝になると、すっかり記憶を忘却しているので、更に私の恐怖心を煽った。

母はそんなカズヲに対していつも怒りをぶつけていた。酔っ払ったカズヲに何を言ったって無駄なのに。


不毛な言い争い(ほぼ母の一方通行だったが)は絶えず、毎晩怒声が飛び交っていた。
そんな夫婦の姿は実に滑稽だった。


小学校低学年のとき。
詳しいことはよく分からないが、ついに借金が返せなくなって、 祖父が残してくれた家を売ることになった。

私たちはクソ田舎に引っ越した。
新しい家は、前の家より小さかった。
私はボットン式のトイレが心底気に入らなかった。学校の雰囲気も悪く、いじめが多いところだった。もう最悪だと思った。


カズヲはヤケになったのか、こんな事態になったにも関わらず、まともに働こうとはしなかった。

私は新しい学校の友達に「どうして転校してきたの?」「お父さん何の仕事してるの?」と訊かれても、答えられなかった。子供の私には事態がよく分かってなかったからだ。


その時のカズヲは、なんだか変な仲間(母曰く)と、“インチキ臭い商品”を売ろうとしていたらしい。

“インチキ臭い商品”の代表的なものに、「健康になる靴下」っていうのがあった。
やたらと締め付けの強い着圧ソックスみたいなやつだ。

カズヲは「これは絶対売れる!」と信じて疑わなかった。自らがモニターとなり、意地になって毎日それを履いていた。


言うまでもないが、全然売れなかった。
インチキ臭いおっさんが、インチキ臭い靴下を売ろうとしたって、誰も買わないのである。


こうして借金と、父の夢だけが膨らんで行った……


もうどん詰まりだった。
父と母は離婚した。私は大賛成だった。何故もっと早くその結論に至らなかったのだろうか。

私と母は逃げるように家を出て、賃貸アパートに住むことになった。

正常な判断力を失い堕落していくカズヲ……見ていて痛々しかった。
いい歳したおっさんが何故、こうなることを予想できなかったのか。はたまた母は何故そんなカズヲと添い遂げようとしたのか。
本当に意味不明だと思った。


しかし私がカズヲを非難すると、母は決まって「あれでも、いいところあんねんで」とフォローを入れた。毎日鬼のように怒り狂い、カズヲを責めていたはずのあの母が。

夫婦というのは奇妙なもんだと思った。
母は、父のどうしようもない部分も含めて愛してたんだろう。


ほどなくして、カズヲはまた家を手放すことになって、汚いアパートで1人ひっそり暮らし始めた。


私達親子は、たまに会って食事したりした。
カズヲは見るたびに、細く、小さくなっていった。
顔色は悪く、ほとんど生気が無かった。今にも死にそうな感じがした。

私は「アンタ死ぬわよ」と細木数子ばりの忠告をし、病院に検査に行くよう勧めたが、いい歳こいて病院嫌いだったカズヲはきいてくれなかった。


そしてある日突然、カズヲはこの世を去った。(この辺りは長くなるので、省略する)


納棺の時。
母はカズヲの亡骸に、あの因縁の靴下を履かせた。
カズヲは、死装束と着圧靴下というなんともダサい格好でこの世から送り出されたのだった。

これは母なりのささやかな復讐だったのかもしれない……。


つづく?

↓も父の話↓

父の日

母と娘、盛り上がるのは父の悪口

母と話しているといつも父の話題、とりわけ悪口で盛り上がる。

悪口といっても、「あのオッサン、ほんまどうしょうもなかったな(笑)」といったニュアンスのもので、今や笑い話。

父が死んでから7年も経つし、故人に対して恨み辛みを残していても仕方がないのだ。

もうすぐ父の日なので、私の父について少しだけ書こうと思う。


私の父


どう贔屓目にみても、私の父は良い親だったとは言えない。


お馬さんみにいこか〜と、平気で競馬場に連れて行くような父。
動物園なんて連れて行ってくれた試しがない。良くて鹿のいる奈良公園だ。


私が拾ったお金をネコババした父。
競馬場でたまたま1000円札を拾ったときだ。
「交番に届けよう」と提案すると、父は「落とした人も気づいてへん。貰とこ」と善良な幼女の心を踏みにじり、そのお金でさっそく缶ビールとジュースを買った。
私は後ろめたい気持ちになりながら買ってもらったジュースを飲んだ。


私がこつこつ貯めていた現金3000円を盗難した父。
それも1回や2回じゃない。気づけば無くなっているのだ。私が憤慨していると、母はいつも黙って代わりにお金を返してくれた。
そのお陰で父の信用はゼロ。「お金貸して」と言われたときは、それが例え100円でも、借用書を書かせた。


沖縄のお土産にゴーヤを買った父。
沖縄旅行へ行ったとき、父は土産の中に何故かゴーヤを紛れ込ませ、宅配便で自宅に送っていた。
数日後、遠路はるばるうちへやってきたゴーヤだったが、ダンボールの中で無残にも腐りきっていた…。
「何でこんなん入れてんの!ゴーヤくらいその辺のスーパーにも売ってるやろ!アホちゃう!」と母が怒り狂い、父はゴーヤマン片手に小さくなっていた。(当時おいなり家では朝ドラのちゅらさんがブームだったのだ)


子供のプレゼントをぞんざいに扱った父。
あれは忘れもしない。幼稚園児の頃の話だ。
私は紙粘土で“おとうさんのかお”を作って父の日にプレゼントした。
酔っ払っていた父は「これ、食べられる?」と訊いてきた。私が「たべれへんで」というと、父は興味無さげに“おとうさんのかお”をその辺にぽいと放置した。
悲愴感漂う“おとうさんのかお”……しくしくと泣いているようにも見えた。
その時私は「もうおとうさんにプレゼントなんかあげへん!」と心に決めた。

あれが最初で最期の父の日のプレゼントだった…

感謝はしている。


父のダメっぷりは挙げ出したらキリがないのだけど、そこはかとなく漂う父のクズ感が伝わっただろうか。


こんな父のお陰で母は随分と苦労したみたいだ。
借金で家も失くしたしね。

でも、それも今となっては笑い話。

結局父は「どこか憎めない人」のカテゴリーに分類されるタイプの人だったのだ。


なんだかんだで母が父の悪口をいうときの「仕方ない人」って感じの呆れた物言いに、愛があるように思う。

私もそんな感じかもしれない。
感謝はしてるよ。

お父さん……あなたを反面教師に私は今日もまともに生きています。


ほなねー

トピック「父の日」について


人見知りの私がバーベキューに参加して透明人間と化した話。


↑前回↑の続きのお話です。



そうこうしているうちに、肉も野菜も大方焼き終わってしまった。死活問題だ。

焼くものが無い。居場所もない。どうしようもない。

炎の番人おいなり

透明人間と化した私は、ひたすら火の番をしてその場を凌ぎ、いつ来るか分からないお開きの瞬間を、今か今かと待ちわびていた。
修行かと思った。
ガンジーになった気分だった。


とにかく暇なので、コンロの火が絶えないように、うちわで酸素を送り込み、炭の燃焼に拍車を掛け、炎上させた。

炭がパチパチ音を立てながら徐々に白く灰になっていく様をまじまじと見つめた。
そして、真っ白になった炭を見て「ははは、ざまぁみろ」と思ったりしていた。
ちょっと危ないやつに見えたかもしれない。

うん。実に不毛な時間だった。

ふと思う「いつ終わんねん」

どれだけの炭を燃やし尽くしただろうか。

すっかり陽は落ちたというのに、終わりが見えてこず、本格的に不安に駆られ始めた。

男性陣はまるで呪いの儀式を執り行っているみたいに、火を囲み、得体の知れない肉を焼き、酒を呷る…。


私は目の前の炭を炎上させながら、ふと我にかえった。

なんやこれ。アホらし。やめよ。

おいなり、ついにサジを…いや、トングを投げた。


誰かがきっかけを作らないとこの宴は延々と続いてしまう…と思った私は、気付かれない程度に、こっそりと片付けを始めた。

すると奥様達も、嬉々として片付け始めた。このときの団結力は素晴らしかった。全員女神に見えた。


解散。

男共は名残惜しそうにしていたが、気づかないふりをして片付けを済まし、ようやく解散となった。

長かった。こんなに長期戦になるとは思わなかった。
拘束時間はざっと7時間
報酬は肉のみ

いくら私が食いしん坊だからといって、これでは割に合わない。

ブラック企業はどこまでもブラックなのだと、身をもって知った。

帰り道

ずっと息がつまるような奇妙な空間に閉じ込められていたからか、帰りの車の中では、やっと正常な呼吸が出来た気がした。

時速150キロで突っ走りたいぐらい開放感いっぱいだった。(といいつつヘタレなので制限速度は守る)

私は窓を全開にして、叫んだ。

「やっと終わったああああぁぁぁ」


私史上稀に見る苦痛イベントをなんとか遂行し、1つレベルアップできた気分だった。



そこで放った旦那ちゃんの驚愕の一言がこちら↓

「思ってたより全然大丈夫やったなあ」


(あんたはね‼︎‼︎‼︎‼︎)


おわり。

ほなねー。